FC2ブログ

印象に残った選手達(2)

DWNIu_MVMAAn4Rh.jpg

ネイサン・チェン!!
私は彼に期待していた。
前シーズン、ジュニアからシニアに移行、「海賊」と「韃靼人の踊り」を
ひっさげ、見事なまでに多数の四回転を装備し、しかも表現面もバレエを
感じさせるしなやかさだった。

今シーズンに入っても、調子がそれ程悪かったわけではなかった。
トップを脅かす存在だった。

それが・・・。


団体戦で嫌なミスが出たが、まさかそれを引きずったのでもあるまいが、
有り得ないほどミスがSPで出てしまい、17位・・・。

誰もがソチの浅田真央を思い起こしたのではないか。
私はまるで真央ちゃんの時みたいだと、これは悲劇だ、と思った。

ソチの再現ならフリーで奇跡的な巻き返しがある。
しかし、そううまくいくのだろうか?
ネイサンの実力なら、SPの出来の方がおかしかった。
採点も下げられるだけ下げられた。
普通にやっていれば多少のミスが出たところで表彰台には絡んでくる選手だ。

果たしてフリーでは
四回転を六回!
成功させフリーだけなら一位となった。
実況も言っていたが「SPのミスさえなかったら金メダルに手が届いた・・・」
そう、こういう状況は何といえばいいのか。
こんなことが起きるのかと世の理不尽を嘆くしかなかった。

真央ちゃんの場合はアルメニアリンクへ行かされ、調整どころか
調子を崩されてしまったという原因があった。
ネイサンの場合は詳しいことがわからないが、直前に怪我が
あったらしいし、体調も良くなく、何よりかなりの重圧が
あったようだ。
全米で久々の「金メダル候補」あちらでの様子がよくわからないが、
イベントやCM(コカ・コーラ)などに忙しかったのではないか。
家族の期待も、全米の期待も一身に背負って大変だったのではないか。

そのプレッシャーに打ち勝たねばならないのだが、とはいえ
彼はまだ18歳、シニア二年目に過ぎない。

しかし、町田樹氏はネイサンのフリーについて「前人未到の偉業」と称賛してくれた。
それで何か救われたような気がした。


オリンピック優勝者の勝因は
「組織力と調整力」と町田樹氏は言い切った。

私も同感だ。
ネイサンにもそれがあったら、勝負はどうなっていたかわからなかった。
勝つためには組織力は必要だ。
その組織に守られ、五輪から逆算して調整していく。
五輪で勝つために必要以外の「無駄」なものは
排除し、ただ個人戦一極集中でそれのみに、向かう。

o0640087014135947492.jpg
女子の優勝者は15歳のザギトワ。
綺麗だし、ジャンプもしっかり跳ぶし、ミスもほとんどない。
彼女もシニア一年目なのだ。その度胸の良さに驚嘆する。それ程
努力を積み重ねているということ。それが自信になっている。

ジャンプは全て後半、という極端なプログラムで、今回
物議をかもした。

何も今に始まったことでもないのに、ルールを変えたときから
こういうことも予想できただろうに。
選手の名前を出して批判的に扱うのはどうかと思う。
偏ったプログラム内容は好きではないが、ルールに則って
やっているのだから選手は何も悪くない。

それを言うならプログラム使いまわしはルール上何の問題もないが、
表現の向上という観点から、果たしてそれでいいのかと思う。
また、他選手に対して不公平にも思う。
極端な話、今のルールでは四年間、同じプログラムでも別に
違反ではないし、新たに振り付けを覚えてこなしていくという
大変なことをパスできるのである。
振り付けは体が覚えていて、あとはジャンプの練習に集中できる。
ジャンプ得意な選手にとってはかなり有利なやり方。
皆がそれをやり始めたらまた、ルールを変えるのか?



後半1.1倍を変えるかどうか、6月の総会で議題に出るそうだ。
だが、それよりも問題はGOEを±5にまで幅を広げる案がある、ということだ。
今でもかなり恣意的に運用できているのに、これ以上
点数を上げると基礎点の意味などなくなってしまうではないか。
勝たせたい選手にGOEを大盤振る舞いする、そのやり方で
ヨナを勝たせた成功体験から、ずっと続けているようだが、
調整される選手はたまったものではない。

スパイラルをなくしたことも大きな失敗だと思う。
コンパルソリーも何らかの形で復活させた方がいいのではないか。
そうでないと技術が衰退する一方で、ただのジャンプ大会のようになる。


優勝者は、66年前の偉業を否定し、昔とは違うから自分が初めての二連覇のようなもの、と
言ったそうだ。調べてみると実は、三連覇してる選手がいた。
ギリス・グラフストローム選手。勿論、大昔のことだ。
1920年、24年、28ねん、確かに今と内容は違うし
一概に比べられないが、しかし記録は記録だ。

私は過去の偉大な業績を蔑ろにしたり、否定したりするのは違うと思う。
過去の積み重ねがあって「今」がある。
当然のことだが、そこにこそ感謝と敬意を持つべきだ。
過去の先達が開拓し、道をつけた。
レールが敷かれた。
今の人間はポンとそこに乗っかるところから始められるのだ。
そのことに真摯に感謝したいと私は思う・・・。
それができない人間は嫌いだ。

DWsfFd0VoAAU_U4.jpg
メドベジェワ、ソチ後、ぶっちぎりでトップ独走だったのに、
昨年、骨折があり練習ができない期間があった。
そんな中、よくここまで戻してきたと思うし、やはり根性がある。
オリンピックは何があるかわからない。



しかし、そんな高得点の彼女達の基礎点を上回るのが
ソチの真央ちゃんフリープログラム。
ソチ、フリー66・34
ザギトワ66・01
ジャンプを全て後半に持っていってもなお、ソチの真央ちゃんに及ばないという
どれだけ凄まじいプログラムであったか。
あれは真央ちゃんにしかできないことだ。

DWshpU0U8AABOY1.jpg

DWs7frdV4AAjUsQ.jpg

あと、未来ちゃん!
3A,オリンピックで決まったのは本当に良かった。おめでとう。
個人戦では成功できなくて残念だったけれど、最後まで果敢に挑戦した。
真央ちゃんも万感の思いがあったのではないか。

田中刑事選手もフリーでは4サルコウを決め、自分らしい演技をすることに
ベストを尽くした。
「メダルだとかスコアだとかいう目に見えるものに注目しがちだが、
今回得られた学びという結果にも注目していかなくてはならないと考えさせらた。
一人のアスリートとして尊敬する。」と町田氏。



DWcoUxIUMAAfGsF.jpg

かなクリも良かった。綺麗だった。
桜と風をイメージ。
とてもいいプログラムだった。
このオリンピックで自己ベストを出せ、フリーに進めたのは大きな自信になる。
練習環境が悪く、アメリカに渡って練習されているという。連盟はもっとペア競技にも
力を入れてほしい。

その他、パシュートも一糸乱れぬ隊列を組み、速さを競うが美しさがあり
目を見張った。チーム力、というものが日本人は得意なのかもしれない。
カーリング女子も良かった。
最後まで諦めず、笑顔を絶やさなかったことが印象的だった。結果も残せた。
男子は残念だったが、やはり資金不足が痛手だ。



*真央ちゃん、ついにサンクスツアー発表された。

DXKknSgUMAAAKh0.jpg
価格設定も、今までのことを考えれば破格のものだ。
できるだけ多くの人に見てほしい、という純粋な思い。
真央ちゃんらしい、思いやりを感じるツアーになりそうだ。

しかし関西が入ってない。
それはとても残念だ。楽しみにしていたのだが・・・。


DXB9qKdVAAAaYN-.jpg






スポンサーサイト

コメント

こんばんは。こちらでははじめまして。

しっかりとどっしりと書いておられるあれこれに、魅せられて、うんうんとうなずきながら読ませて頂きました。本当にすばらしい記事と思いました。

町田樹は浮かれていない人ですね。信頼のおけることを言っておられました。現役時代からけっこう好きでした。

アイスダンスは、引っ越しの合間でしたが、座り込んで引き込まれて見て、そうだわ、こういうものが見たかったのだ、と。素晴らしかった。宇野選手も、いい加減なスケートをしていないのがよくわかります。言い始めるときりがありません。

同じ思いの方に、コメントできる幸せ。人間っていいな、人間ってすごいな、美しいな、と、思わせてくれるアスリートさんたちに、感謝です。

長々と失礼いたしました。

Re: タイトルなし

初めまして。

コメントどうも有難うございます。

思ったことを毒まじりで書いてますので、ご不快に思われる方もいらっしゃるでしょうが
ご容赦願いたいと思っています。


今回は浅田真央さんがいなかったので、寂しかったのですが、
アイスダンスやペア競技がことのほか、良かったと感じました。

本来のフィギュアスケートの持つ魅力を、このペア競技は
今も持っている、ということに救いのようなものを感じました。


素晴らしい選手達を見ることができて本当に良かったです。

そういうものを見たいんだなとあらためて思いました。
勝つばかりが感動を生むわけではないのですね。

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)