阿修羅のごとく

作 向田邦子

演出  和田勉ほか


【キャスト】
長女・綱子:加藤治子
次女・巻子:八千草薫
三女・滝子:いしだあゆみ
四女・咲子:風吹ジュン

父・恒太郎:佐分利信
母・ふじ:大路三千緒
巻子の夫・鷹男:緒形拳/露口茂
滝子の恋人/夫・勝又:宇崎竜童
咲子の恋人/夫・陣内:深水三章

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興福寺の阿修羅像
闘いの神。

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この方、得も言われぬそこはかとない色気があり、この役にピッタリ。
これ見よがしなものでなく、何となく隠微なような。

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貞女のイメージの八千草さん。大好きな女優さん。
この姉妹の中で一番安定した人生を送っているかのような主婦なのに、
夫の浮気をずっと疑っていて、パート1では確かにその「証拠」ともいうべき一件が起きる。
一件優しくおっとりとした雰囲気でありながら、秘めたる嫉妬心や猜疑心は相当なもの。
まさに「阿修羅」

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この人の演技がいつも凄いんだよね。
天才肌、っていうのかな。感情のままに演じているような、本能的な演技と言うのか。
計算とかじゃなしに心に訴えてくる。

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勉強ができなかったけど男の子にはモテモテで、だけど劣等感の塊だった過去を、
リベンジする。が、その後ボクサーの夫の病気で一転、奈落の底に。
身につまされるような設定だった。




(感想)
お正月CSで放送があり、一気見した。
いやー何度見ても面白い!
飽きないどころか見るたびに面白い。
最近のドラマはこんな傑作がなかなかないから余計
面白さが際立つ。

日常会話の自然なこと!ポンポンと交わされる姉妹の会話の軽妙なこと!
そしてヒリヒリするような激しい本音が出たりして
とても怖くもある。


時に毒を含み、時に嫌味をこめ、時に懐かしさを共有し・・・。
お互いに気に入らなかったり、妬み嫉みがあっても
それでも結局最後は家族としての絆を感じさせてくれる。

最後の滝子(いしだあゆみ)の啖呵。
カタルシスがあるし、カッコイイし、血のつながりの強さを感じるし、
最高。
いしだあゆみの演技が「本物」で、演技に見えなくて、
姉妹喧嘩の時も、あんな声出すよな、って共感できる。

1980年当時は、面白いと思いながらも強烈すぎて
ちょっとえぐいな、と思ったりもしていたが、年を取り、このドラマの
姉妹たちの年齢をとっくに超えてしまうと、思い当たることが多いのだ。

母のかかとのひび割れがお鏡餅のひび割れと似ている、とか
ああ、そうそううちの親のかかともあんなだったなとか。
姉妹喧嘩、私もよくしたなあとか。
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うちの父もいつもこんなベレー帽をかぶり、こんなコートを着ていた。
とても懐かしい。この時代の人はみんなベレー帽などを被っていたのだろうか。



滝子のスカートのボタンが取れて、長女が「まあ、だらしない」なんて
何気なく言ってるのもとても面白かった。
得も言われぬ軽妙なやりとり。姉妹ならではの遠慮のなさ、みたいなのが
こんな小さなセリフにも表れているんである。

ああ、全く惜しい才能を失ってしまっている、と改めて
悔しく、残念に思う。
向田邦子、本当に才気あふれる作家だった。
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