妻は告白する

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あらすじ

滝川彩子(若尾文子)は、夫の亮吉(小沢栄太郎)と若い幸田(川口浩)と登山中に遭難し、
夫のザイルを切って死に追いやった。
滝川夫婦は不幸な結婚であり、彩子は幸田に好意を寄せていた。
彩子がザイルを切ったのはやむを得ない措置だったのかそれとも故意か、裁判である判決が下されるが、意外な結末が訪れる
ということである。
ここに幸田の婚約者だった宗方理恵(馬淵晴子)という女性も絡み、はたして幸田が彩子を選ぶのかどうか、ということがひとつの焦点になる。
そしてさいごに彩子の「真実」が明かされ、幸田は彩子を見捨てる行動に出るのだけれども、彩子はまだ幸田に執着する。
(ネットより)

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(感想)
そもそも亮吉は、彩子を強引に妻にしておきながら、貧しいくせに外で遊ぶ、
彩子が妊娠したら、金がないから堕胎しろ、という、
それでいて別れてくださいというと、絶対そんなことはしない、という。それも
愛しているからというよりは世間体が悪いというような理由だ。
心の中では本当は愛しているかもしれないが、これらの状況を見るに、
年の離れた若くて美しい妻を娶りながら、ここまで扱いが悪いというのは
酷い目にあわされても仕方がないと思える。

ザイルを切ったのが「緊急避難」にあたるとして、彩子は無罪放免になるのだが
その生命保険ですぐさま高級マンションを借り、幸田を呼び寄せる。
そのことに幸田は怖気づき、惹かれてはいたものの、
彼女から離れようとする。

彼女にはもう、幸田しかいない。
幸田に執着するしかない。

最期の方で彩子が幸田の会社まで出向き、凝然とたたずむ様は、
さながらホラーのようであり、ぎょっとさせられる。
その上、幸田の会社で自死を決行するのだからたまったもんじゃない。

そう思ってみたのだが、見終わってから
彩子という人が憐れでならなくなった。
彼女は生命保険目当てで殺してやろうとか、幸田を困らせてやろうとかいう
悪意はない。

ひたすら純粋に愛を求め、欲しただけなのである。
年上の亮吉に、強引に妻にされ、子供は堕ろせ、といわれ
家は金がなくおかずを買うにも困る始末。
しかも離婚は絶対しないといわれる、こんな夫、誰だって嫌だ。
亭主関白なんてもんじゃない。精神的暴力だ。
その上、この時代、女性の社会進出などまだまだできなかったので
よほど手に職でもない限り、家を飛び出して自活するのも女一人では
難しかったのだろう。
そんな時に親切にしてくれた幸田に救いを求めるような気持ちになっても
仕方なかったのではないか。

「悪女」などではなく
ただ愛が欲しかっただけの女の悲劇である。

若尾文子が良かった。
濡れネズミのようになって、幸田の会社に現れた様子は
凄まじい雰囲気を漂わせていた。
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