破戒

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1962年119分大映 

<監督>

市川崑



<音楽>

芥川也寸志



<キャスト>

市川雷蔵、

長門裕之、

藤村志保、

三國連太郎、

船越英二、

岸田今日子、

中村鴈治郎、

宮口征爾、

杉村春子、

加藤嘉、

浜村純、

浦部粂子




島崎藤村の原作の映画化



<内容>

島崎藤村の同名小説を、和田夏十が脚色し市川崑が監督した文芸作。藤村志保のデビュー作。被差別部落出身の小学校教師の瀬川丑松(市川雷蔵)は、亡き父の命に従い、身分を隠して生きていた。丑松が部落民なのではないかと噂が立ったとき、同僚の土屋(長門裕之)は丑松をかばってくれた。同じ部落民である猪子(三國連太郎)の突然の訪問に戸惑う丑松は、思わず自分は部落出身者ではないと言って猪子を追い返してしまう。猪子は暴漢に襲われ死亡、丑松は教え子に「私は部落民です」と告白し、土下座をして謝り続けるのだった。
<allcinema>



***************************
市川崑と市川雷蔵が組んだ作品。他には「炎上」があった。
どちらも文芸大作。

この作品はとにかく暗い。
自分の出自を隠しながら、その隠していることに罪悪感があり、また出自そのものにも
引け目を感じているので終始懊悩しているのだから暗くもなる。

正面から「差別」について描かれており、かなり思い切ったのではなかっただろうか。そういえば
大映社長永田ラッパは同和出身者・・・という話を聞いたことがあるような気がする。
そうだとすれば、尚更力も入ったことだろう。

昔はこんなにもあからさまに差別していたのかと驚きを感じる。
不思議な感じだ。今は差別は絶対良くない、と
教育されているから、差別していることを知られるのを恐れる感情が働くような気がする。
そして心の中にしまい込んでしまう。
勿論、生まれだけで差別される運命になるのは理不尽だし、そのことだけで
差別されるのはあってはならないことだと思う。
この映画の主人公瀬川のように立派な人物であれば、どこの出身であれ、
差別される謂れはない。


しかし人間というものの本質の中に良い悪いは別にして、差別する気持ちが
なくならないのではないかと思う。
それが何故なのかはわからないが、ともかく時代が流れどんなに文明が高度になっても
差別はなくならない。
皆が同じようなレベルの生活を送るようになり、同等の教育を受け
大差なくなっても何かしらの差別はあるのではないかと思う。
その逃れようのない「さが」(性)と向き合い、直視していくことが
必要な気がする。
差別が良くないからと言って、「ないもの」のように蓋をして知らん顔
しているのも違うような気がするのだが・・・。


市川雷蔵良かった。こういう繊細な人物が良く似合う。
そして藤村志保も素朴な美しさ、日本女性の美しさがあった。
岸田今日子も良かった。
三國連太郎も圧倒的な存在感。こういう迫力は息子の佐藤浩市にはない。
同僚の長門裕之もいい。
思いやりがあるようで、しかし、瀬川の出自が噂になったとき、純粋に
それを否定し、あくまでも信じているようなことをいうのだが、それが却って
辛かった。
のちにそういう自分の態度を謝罪するのだが・・・。
そういう彼の存在が救いだったように思う。

今ならこのようなテーマで、しかもこのように正面切って暗く重い映画は
作れないだろう。
昔の観客の方が高度だったのかもしれない。







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